雲南省麗江

 年末年始の中国旅行で最後に訪れたのが麗江。麗江(Lijiang)は雲南省最大の観光地で、古い町並みが残る麗江古城は1997年に世界遺産に登録されている。標高2400mの高地に800年前に少数民族の納西(ナシ)族によって建設された。
 まず、ナシ族の豪族でこの地を長く治めていた木氏の官邸である木府を訪れた。1382年明代に創建されたが、大半が清末に破壊されてしまっている。現在の建物は1996年の大地震の後に復元されたもの。豪壮な建築群が軸線上に並ぶ。漢族とナシ族の建築様式が融合しているというが、いかにも中国漢族の建築様式のように見えた。奥の山側から見渡す古城の瓦屋根が連なる景色はなかなか壮観。
 最高峰5596mの玉龍雪山への現地旅行社の一日ツアーに参加した。今回の旅行で唯一自然景観を堪能。青く美しい湖や雪山はカナダのロッキー山脈の景色を思い起こさせる。ツアーガイドの説明について行けず、中国語の衰えを実感させられた。考えてみれば、中国に住んでいたのはもう20年も前のことだ。
 古城内の大半は完全に観光地化されており、中心エリアは観光客で溢れているが、拡張が進む南側は多少地元民の生活が残っている。古城内は厳密ではないかもしれないが全て伝統的な建物様式で統一されており、なかなかの雰囲気。一見して古い建物と新築の区別がつかない。古城内を歩くと地元少数民族の衣装を着て写真撮影をする人たちがあちこちでポーズをとっているのを目にする。ここでのメインの観光の楽しみ方なのかもしれない。